房主ブログ

材料に話しかける

今日が連休のピークでしょうか。
朝のテレビでもどこかの高速道路の渋滞が何キロとかやっていましたね。
工房の窓から見える知多半島道路の南向きのクルマの流れもいつもよりゆっくりだったです。

私はといえばまずは連休明けに出すクルマのベッドキットの下地作りをしました。
うちのベッドのメインマットには破断強度にして600キロ越の中空合板を使っています。
この中空合板は心材を100分の何ミリという精度で厚さをそろえて接着剤を塗り、高圧のプレス機でプレスして作ります。
最大限軽くて強くするために車種ごとに専用のものを作ります。
これによりキットにバー状のフレーム無しにベッドを構成します。
それによる取り回しのしやすさやノイズの減少、ベッド下で荷物がフレームに引っかからないなど複数のメリットが生まれます。
そのお話はさておき、中空合板作りの話です。

今日はその中空合板に接着剤を塗りながら話かけていました。「お前たちは幸せだなぁ、フルパワーの強度が出せる」
どういうことかといいますと接着剤の硬化時間にもいろいろありますが、うちは基本的には一晩プレスします。効率を優先する事業所なら2,3時間でプレスから外してしまうところもあるでしょうが、うちはそうはしません。単にくっついているだけではなくて最大の強度が出るようにしたいからです。
そんななか、今日プレスをするのは連休により3日間はそのままにできるからです。
別に3日もやったからといって一晩プレスとそんなには変わらないかもしれませんが、気持ちの問題でせっかくなら今日やっておこうというところです。
そこで先述の独り言が出る訳です。
教室にくる受講生さんに聞いた話ですがアロンアルファという瞬間接着剤をつくっているメーカーが以前テレビCMなどで列車をひっぱる?とかやっていましたがあれとて実は社内にその接着剤の「最大の強度を出せる人」というのがいて、その人がやるのだそうです。
そういう人は技術や知識はもちろんですが、そのうえで、集中して気持ちを込める、というのが最後のポイントかと思います。
やっぱりただ作ればいいというものではない訳ですから。

わたしもこのように材料に話しかけながら作っています。